伊勢神宮は親しみを込めて「お伊勢さん」などと言いますが、正式名称は「神宮(じんぐう)」で「内宮」と「外宮(げぐう)」をはじめ125もの神社の総称でもあります。
神宮には14の別宮(べつぐう)、43の摂社(せっしゃ)、24の末社(まっしゃ)などがありますが、これらすべてを参拝するのはとても大変です。そこで、メインとなる内宮と外宮を主に参拝するといいと言われています
内宮と外宮を参拝することを「伊勢神宮の両参り」と呼ばれています。
このページでは伊勢神宮の両参りのマナーについてご紹介します。
伊勢神宮の内宮と外宮とは
伊勢神宮のメインは内宮と外宮です。それぞれに祀られている神様が異なります。
内宮のご祭神は天照大御神
内宮には天照大御神(あまてらすおおみかみ)がご祭神として祀られています。
天照大御神は皇室のご先祖様と同時に日本国民の総氏神様と言われています。外宮は「皇大神宮(こうたいじんぐう)」とも呼ばれています。
氏神様は自分が住んでいる地元を護ってくださる神様ですが、内宮は日本全体の氏神様ということになります。
外宮のご祭神は豊受大御神
一方、外宮は「豊受大神宮(とようけだいじんぐう)」とも呼ばれ、ご祭神は豊受大御神(とようけのおおみかみ)で、衣食住、特に食に関する恵みを与えてくださる神様と言われています。古事記によると、もともとは京丹後地方に住んでいた神様ですが、伊勢にやってきたということです。
今でも外宮では毎日、朝と夕にきちんとした食事をお供えしてお祀りされています。
スポンサーリンク伊勢神宮の両参りの順序
両参りは神宮の内宮と外宮の両方を参拝することですが、順序は
1.外宮
2.内宮
の順に参拝します。
外宮を先に参拝する理由
伊勢神宮では「外宮先祭(げぐうせんさい)」と言って、お祭りの儀式などは外宮から先に行うのが慣例です。
(式年遷宮だけは内宮が先)
天照大御神のお食事をつかさどる神様(豊受大御神)から先に神饌(しんせん)というお供えをすることから外宮を先にお参りするようになったと言われています。
伊勢神宮の参拝のマナー
伊勢神宮に限らず、神社の参拝は次のマナーを守るようにします
手水と参拝方法
手水舎で手と口を清めてから参拝します。
- 右手でひしゃくを持ち、水をすくって左手にかけて清める
- 左手でひしゃくを持ち、水をすくって右手にかけて清める
- 右手でひしゃくを持ち、水をすくって口に含め、口をすすぐ
- もう一度、左手を清める
- ひしゃくをまっすぐに持ち、残った水を柄にかけて流す
- 神前に進み、ニ拝二拍手一拝をする
- 手を合わせてお参りする
- 最後に一礼(おじぎ)をして神前を去る
ただし、現在は新型コロナウイルス感染拡大対策として、ひしゃくは使わずに流れる水で手を洗うようになっています。
五十鈴川にお賽銭を投げない
とても美しい川で、内宮の手水舎を少し過ぎたところで川岸に行くことができます。
この五十鈴川は「御手洗場」となっていて、川の水で手を清めることができるのですが、川にお賽銭を投げ入れる人がいるようです。
しかし、伊勢神宮では五十鈴川にお賽銭を入れることは禁じています。
自然環境を守る意味もあるので、ルールは守るようにしましょう。
伊勢神宮では個人的なお願いはしない
伊勢神宮では個人的なお願いよりも感謝の気持ちを伝えるのが良いとされています。
つい「〇〇の願いが叶いますように」とお願い事を言ってしまいがちですが、平和な日々に感謝することが大切ですね。
外宮と内宮の通行方向
外宮では左側通行、内宮は右側通行をするようにします。
どこの神社でも参道の中央は神様がお通りになるため空けるようにするのが一般的で、左右どちらかを通ります。
伊勢神宮では参拝客が多いためか、「外宮は左側通行、内宮は右側通行にご協力ください」と書かれています。
神宮では写真撮影が禁止
参道などは写真撮影はOKですが、本殿(正宮)は写真や動画の撮影は禁止されているので注意が必要です。
特に内宮は本殿に上がる石段のところから撮影禁止の立て札が立っています。ルールを守るように気をつけてください。
定期的にお伊勢参り
昔からお伊勢参りは人気がありました。
わが家では1年に1度は参拝に行くようにしています。もちろんお住まいの地域によってはそう簡単に行けないという方もおられるでしょうが、わが家は車で2時間ほどの距離に住んでいるので、その年の行きやすい時期に参拝しています。
「今年も無事にお伊勢さんにお参りができた」と感謝できるのがありがたいと思います。
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